変形ギターの勧め
今日は、僕が愛してやまない所謂、「変形ギター」について語りたいと思う。
エレキギターには、主にFender社の製造するギター、ストラトシェイプ、テレキャスシェイプ、ジャズマスター、ジャガー、ムスタング等々のシェイプと
主にGibson社の製造するギター、レスポールシェイプ、SGシェイプ、セミアコフルアコ等々のシェイプが存在するが
それに類しないオリジナルなシェイプも多数存在する。
その中でも特に、形が特出し、デザイン先行で作られたギターを、俗称で変形ギターと呼ぶ。
Wikipediaによると、変形ギターとは
エレクトリック・ギターならびにベースのうち、ボディ形状が伝統的な弦楽器(ヴァイオリン属やアコースティック・ギターなどの撥弦楽器)に根ざしていないものを指す。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%e5%a4%89%e5%bd%a2%e3%82%ae%e3%82%bf%e3%83%bc
そうだ。
恐らく、音楽へのアプローチが、徐々にサウンドからビジュアルへと変化していったことの産物なのだろう。
今回、そうした変形ギターの中でも、シェイプとして確立している物を紹介したいと思う。
Flyning V
ESP傘下のEdwardsから発売されているFlying Vシェイプ。
Gibson社が1958年に発売したギター。
一度生産中止するも、名だたるアーティストの使用により評価され、変形ギターといったらFlying Vといった現在の地位を確立する。
オーソドックスな仕様として、ミディアムスケール22フレット、固定ブリッジがあげられるが、仕様の変化した派生モデルが各社から発売されている。
見た目に反してそのシンプルな造りにより、ブルースからロックンロール、HR/HMまで幅広く使用されている。
太ももにV字の股を挟んで演奏するのが様式美。
海外だとマイケルシェンカー、国内だと橘高文彦氏の使用が有名。
ESP傘下のEdwardsから発売されているExplorerシェイプ。
同じくGibson社が1958年に発売したギター。
Flying Vと同じような運命をたどり、地位を確立したギター。
オーソドックスな仕様として、ミディアムスケール22フレット、固定ブリッジがあげられるが、仕様の変化した派生モデルが各社から発売されているところも同様。
見た目に反してそのシンプルな造りにより、ブルースからロックンロール、HR/HMまで幅広く使用されているところも同じ。
エレキギター界においても屈指の面積を誇るそのボディから紡ぎ出される野太いトーンと構えた時の安定感は随一。
エリッククラプトンが使用した、ボディエンドがカットされた(通称クラプトンカット)モデルの人気も高い。
Metallicaのジェームズヘッドフィールドの使用で有名。
プロトタイプでFutureって似たようなモデルもあります。
Gibsonが1963年に発売したギター。
カーデザイナーのレイ・ディートリッヒがデザイン。
ベースだとThunderbirdってモデル名になります。
スルーネックでミニハムバッカー搭載という異色なギター
ミニハムというピックアップの特性からか、あまりハイゲインで使う人見ないのですが、クランチがえらく気持ちよいのでそれでよし
ML
DEANの創設者、ディーンゼリンスキーが1977年に発売したギター
ExplorerとVの合いの子。(ヘッドは通称バルタンヘッドというDEAN社のシンボルの形状)
癌で亡くなったディーンゼリンスキーの友人Matthew Lynnの頭文字をとってMLだそうな。
元々はミディアムスケール22フレットの固定ブリッジだったのだが、ダイムバックダレルの使用によりフロイドローズが載ったモデルのが多い。ロングスケール24フレットの派生モデルも存在する。
主な製造メーカーはDEANの他に、WashburnやEdwards,Grecoが確認されている。
ボディは意外かな薄く作られており、これはディーンゼリンスキー氏の、「木は薄く大きなボディのが鳴る」というギタークラフト哲学からきている。
派生モデルとして、ダイムバックダレル氏が生前デザインしたRazorbackというモデルがある。
Panteraの故ダイムバックダレルの使用で一躍有名になったギター。
Randy V
正式名称はJackson Randy Rhoads。
Jackson社がOzzy Osbourneのギタリスト、故ランディローズの為にデザインしたギター。
1981年から製造。
ランディローズや、Children Of Bodomのアレキシライホ等、ギターヒーロー達が愛用したシェイプで、日本のみならず海外でも人気が高い。
Jackson他、ESPにおいてもコピーモデル(カッタウェイ等改良済)が製造されている。
King V
Jackson社がRATTのギタリスト、ロビンクロスビーに向けて開発したギター。
彼の愛称の「キング」からその名をとる
その後、MEGADETHのフロントマン、デイブムステインによって有名になる。
Kelly
HEAVENのギタリスト、ブラッドフォードケリーがデザインしたJackson社のギター
当時MEGADETHのギタリストだったマーティーフリードマンによって有名になる
Star
ESPがLOUDNESSのギタリスト、高崎晃氏に開発されたRandom Starを原型に、その発展形のモデルの総称
GalneryusのSyu氏やSEX MACHINGUNSのAnchan氏、Ozzy,FirewindのGus.Gの使用でも有名。
最近はBanGDream!の主人公の使用でアニメ化もされる
Mocking Bird
ここからはB.C.Richコーナー、
B.C.Rich社が1974年に発売したギター
XJAPANのギタリスト、故hide氏の使用(本人はFernandes製のコピーモデルを使用)で日本では人気が高い
Bich
B.C.Rich黎明期にニールモーザによってデザインされたギター
最初は1弦から4弦までが複弦の10弦ギターとして開発された
Metallica時代、MEGADETH初期のデイブムステインが使用
Warlock
B.C Richが1980年代に発売したメタルアイコン
様々なHR/HMアーティストが使用
IronBird
1983年にジョーイリコという人物によってデザインされる、B.C.Rich社のギター
1999年にDecideのギタリスト、ブライアンホフマンによってデザインされたギター
大人気アニメ、けいおんにも登場
等々片っ端から挙げたらキリがないほどに多様化している変形ギター
特にHR/HM、ヴィジュアル系といった派手なジャンルに好まれて使用され
オリジナル、派生モデル共に今も日夜開発されているのである。
以下、メーカー別に漏れてるであろう変形ギター群を列挙する。
尚、今回はヘッドレスギターは除外しました。あれはあれで一つのジャンルとして確立しつつあるからね
Ibanez
Destroyer
Iceman、Fireman
Xiphos
ESP
Forest
その他アーティストモデル(高見沢俊彦氏のギターだけでも列挙してたらきりがないので割愛)
Caparison
Orbit
Killer
KG-EXPLODER
Jackson
Warrior
DEAN
Cadillac
B.C Rich
Eagle
Draco
最後に、一言。
最初、僕は変形ギターの事を、目立ちたがり屋が持つ馬鹿なギターだと思っていた。
心ではその形に惹かれながらも、理性ではそれを否定していた。
だが、しかし、欲に負け、17歳の当時、どうしてもDEAN社のMLが欲しくなり
買った。そして世界が変わった。
違ったのだ、変形ギターとは、自分をステージに立たせる勇気を奮い立たせる
力の証だった。
そう、今なら言える。
変形ギターは良いぞ。