レビュー「BOSS MT-2W Metal Zone」
さて、今回は、BOSSが1991年に発売した、ロングセラー製品、対メタル用ディストーションペダルのMT-2(通称メタゾネ)公式リメイク品である、BOSS MT-2W Metal Zoneについてレビューしよう。
そう、メタラーギタリストなら誰しもが一度はお世話になったであろう、Metal Zoneの公式モデファイ品である。
良くも悪くも、どんなギターやアンプに繋いでもメタルゾーンの音にしてしまうペダルだったMT-2発売から27年、とうとう公式から改良品が発売されることになった。
以前からKeeleyを始めとしたモデファイ品が販売されていたり、ディーゼルアンプに近づけるModの回路図がネット上には転がっていたりと、改良の余地があったこの製品が
公式からパワーアップして帰ってくるとは、胸がアツくなる事態である。
公式の説明文をかいつまんで説明すると、日本製になって高品質な回路が使われ、通常のStandardモードに加えてCustomモードが搭載された製品になったとのこと。
この製品の筆者なりのインプレッションを述べたいと思う。
まず、Standardモードだが、こちら通常のメタルゾーンの音。音を聴いた瞬間、「あー、これこれ」といったメタルゾーントーンが感じられる。
通常のメタルというよりも、ハードコア、グラインドコアなどにはまりそうな音である。
筆者も一時期、通常メタルゾーンを鳴らしてグラインドコアをやっていた。
次のCustomモードだが、これが優秀。
まるでハイゲインスタックアンプを鳴らしたかのようなレンジの広い、豊かなハイゲインをアウトプットしてくれる。
通常メタルゾーンでは対応できなかったローチューニングまでをカバーすることができ
結果、メタルコアやDjentといったモダンなメタルにも対応できるようになったのではないだろうか。
とにかく分離が良い、本当にメタルゾーンか?って音が出るので筆者はえらく感動した。
公式動画もCustomモードでの試奏のが多いことから、そのモードのポテンシャルが伺える。
このMT-2Wだが、通常アンプのクリーンチャンネルにインプットから繋ぐ使い方をするが
アンプのリターンに繋いでプリアンプ的な使い方をするのも、ポテンシャルが高い。
Ola Englundも、アンプのリターンに繋いでいるようである。
このメタルのジャンルが多様化する時代、ハイゲインへの切り札として一台持っておいても、損はしない、そう思わしてくれる製品だ。