Macabre Sounds Factory

ギター、アンプ、エフェクター他音楽機材の話題を中心に、近況、レビュー、書評などを徒然に書き綴るブログ

レビュー「BOSS GT-1000」

あけましておめでとうございます。

 

新年あけましたね、今年こそは音楽だのブログだのなんだので精力的に活動したい所存です。

 

はい、そういう訳で、今回は僕が昨年11月に購入した、Roland社のフラッグシップ機、

 

ギターエフェクトプロセッサー、BOSS GT-1000について、書いていこうかと思います。

 

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筆者所有のGT-1000

 

発売は2018年の4月だったでしょうか、Fractal、Kemper、Helixといったハイエンドギターエフェクトプロセッサーに一石を投ずるべく、Roland社が恐らく社の命運をかけ、持てる技術を総動員し開発したであろう、フラッグシップ機に、当時NAMNやら楽器屋界隈やらで話題になったのを覚えております。

 

BOSSのGTシリーズといったら、お世話になった方も多いのではないのでしょうか、

 

かという僕も、GTは8の頃からお世話になっていまして、

 

当時一緒にバンドをやっていたベースの方が貸してくれた8を皮切りに、

 

当時高校卒業間際に彗星のごとく現れたGT-10、当時5万円をバイトの末に購入。

 

その後GT-100をすっ飛ばし、軽量化された廉価版であるGT-1、新品2万円を2年前位に購入。

 

家弾きのみならず、スタジオ、ライブ、はたまたレコーディングと非常に重宝したのを覚えております。

 

その間、Fractalが話題となり、Kemperが開発され、LINE6がHelixを発売し、と音のクオリティとそれにかかる費用が右肩上がりに、ギタリスト達の耳と財力が試され、機材と機材で殴り合う時代がきてしまいました。

 

そんな激動の時代の中、発売されたのがこのGT-1000でした。

 

正直、もうRolandにはコンパクトエフェクターといった別路線で頑張ってもらうつもりでいたのですが。。。

 

発表当初は買うしかないと心に決めていたのですが、購入したのが実はつい最近になってしまいまして。

 

理由を羅列すると

 

・魅力的な先駆者の存在

 先述の通り、ギターエフェクトプロセッサー界隈において、FractalかKemperの二大巨頭が確立しておりまして、フロア型マルチエフェクターに絞ってもFractalのAX8、LINE6のHelix、新興勢力のHEADRUSHやATOMIC、MOOERといった製品が発売されており、ここにきてBOSSに戻って良いのか考え物だったのですね。

 

・税抜き価格10万円という絶妙な高額さ

 30万オーバーのFractalや20万オーバーのKemperに比べたら安価だけど、それでも気軽に出すには少々高額な10万円という価格設定が二の足を踏ませる原因でした。

今まで5万前後で攻めてたGTシリーズにしては少々高く感じまして。

 

・同価格帯に魅力的な製品が存在した

 予算を10万前後という価格帯に絞っても逃れられなかったのが、LINE6 Helixの廉価版、Helix LTの存在でした。以前、ISAOさんのセミナーに参加してHelixの有能さを知っていた身として最後まで迷ったのが、GT-1000かHelix LTか、でした。苦悩の選択でした。いまだに僕の選択が正しかったのか自問自答する日々。

 

・アンプ実機を所有していた

 2018年初頭に虎の子を叩いて、Blackstarのアンプを購入していたので、今更マルチエフェクターを買ってもという思いが少々ありまして。まーその思いも、実際にバンドやってみた時の機動性の悪さとエフェクティブな音色の必要性に打ち砕かれた訳ですが。

 

とまあ、購入までに様々な葛藤や苦悩があった訳でして。

 

じゃあ何故購入に至ったのかというと

 

・軽い

 アンプ実機を買った手前、機材なんて重くて当たり前と思っていた身に3.6kgという軽さは衝撃ですよね。GT-10が4.9kgだったと考えてもこの軽さは脅威的、Roland先生はこういうところとてもユーザーに優しいのですよ。

 

・PCエディタの存在

 FractalやHelixについていたPCエディタ、あれがGT-1000にもついていまして。GT-100のVer2やGT-1辺りからついていたのですが、フロアタイプみたいな屈まないと調整できない機材においてこれは便利。なお買ってから弄ってみて操作性の悪さにや本体との同期性能の悪さに辟易するのですが、それはまた別のお話

 

・音が良かった。

 そうなのです、これが一番大事ですね。音が良かったのですよ。

 購入前、僕は3回ほど様々な環境で試奏してみましたが、正直最初はぱっとしなかった。BOSSの音丸出しで何も変わってないじゃん買わないよと最初の試奏ではそうなりましたが、2回目の試奏の際、水戸駅付近の島村楽器でハイエンドギター(Freedamの何かだった)とJCで試奏させてもらった際、アレっとなりまして。

 その時は約2時間弱、プリセットをかたっぱしから鳴らさせてもらったのですが、その中の数個にアンプ以上の抜けと歪を感じ取りました。(プリセットが基本的にアレで良さを感じるのに時間がかかるところがまず問題ですね、そういうとこだぞRoland) 

 そして3回目の試奏では川崎で確かStrandbergの8弦を使って試奏したのですが、レンジの広さと汎用性を確認し購入を決意。

 音の良さを知りたいなら、まずパッチをイニシャライズしてから、用途にあったモデリングアンプだけで鳴らしてみるのが吉かもしれません。その後エフェクトを足してく感じで。操作が分からない?お店の人に聞こう、多分分からないけど一緒に悩んでくれるぞ。

 

ってな訳で、購入。そしてしばらく使ってみたので、諸所感想を。

 

・音が良いけど、アウトプットセレクトがシビア

 そうなんですよ、音の良さを生かすのに歴代のGT同様アウトプットをセレクトするのですが、これがシビア。アンプやミキサー等実際に音を出す機材にあわせたアウトプットセレクトをするのですが、これがバシッとはまれば良い音をだせます。が、しかし中々ぴったりの組み合わせが無いのが困りどころ。外部IRが読み込めるのは良いのですがそれが活かせるかどうかも考えどころ。裏技的なものは検索すれば出てくるのですが(レコーディングモードにしてキャビシミュを切る等)特にチューブのスタックアンプとの組み合わせは頭を抱えます。JCでもJC-120以外のJCとの相性も不明。ってことで大人しくJC-120を使おう。

 

・パラメーターが見づらい

 歴代GT、特にGT-10やGT-100のパラメーターの見やすさを引き継いでいるのかと思ったら、そうでもなくて困惑。ある程度パラメーターの意味が分かっているユーザーなら良いのだが、初心者にとっては直観的に操作できるインターフェースではなくなってしまったのが少々辛い。特にパラEQなんか絶望的なまでに使い辛くなりました。

 

・アンプモデリングが絶望的なまでに少ない

 最後まで購入を迷った原因がこれ。BOSS GT-1000が言う独自の技術AIRDの恩恵を預かっているADVANCED Ampが9種類、これはまだ良い。今までのGTシリーズ同様COSM技術によるであろうCLASSIC Amp(実機のモデリング)が7種類しかないのはどういう事なのでしょう。GT-10の時に重宝したケトナーのTriampやPeaveyの5150シミュが無いのは痛恨の極み。いずれ追加されるのではないかという淡い期待もあるが未だ情報なし。

 

・プロモーションにやる気が感じられない

 買ってみて改めて製品のことについて調べる訳ですがどういう訳かプロモーションが少ない。かつてGT-10はSUGIZO氏やGalneryusのSyu氏といった豪華すぎるデモンストレーターを招いて積極的なプロモーションをしていた。GT-1も和楽器バンドの町屋氏といった決め手になるデモンストレーターを招いてプロモーションを行っていた。それがGT-1000はどうだろう、確かに屋敷 隆一氏やTRIXの佐々木秀尚氏をデモンストレーターに招いているが、正直マニアック過ぎる。それほどRolandの財政が厳しいのだろうか。

 加えてBOSS TONE CENTRALの配布パッチのしょぼさ(かつてのシリーズの使い回し)と言ったら見るに堪えない。

 

などなど、これ以上書くとRoland先生に怒られてしまいそうなのでここで止めましょう。

 

ともかく、折角Helixを諦めて買ったGT-1000なのだから使わなければ損、ということで試しにRECしてみました。

 

soundcloud.com

 そうなんです、この製品の魅力であるキラキラクリーンやおしゃれクランチを差し置いて、ハイゲイン、メタル用途のハイゲインで1フレーズ作ってみました。

 

このGT-1000、オーディオインターフェースにもなるのですが、

 

取り回しがアレなので

 

Ibanezの7弦→GT-1000→オーディオインターフェース(Presonus Studio 192)

 

のラインで録ってみました。

 

GT-1000のセッティングとしてはチューブスクリーマーのシミュを気持ち少々、アンプモデリングはJuggernoteです。あとはイニシャライズでデフォのリバーブとノイズゲートが入ってるだけでして。

 

ギタートラックはコンプ、EQ等プラグインは一切かけておりません。

 

そうなんです、意外かな、ハイゲインが使える。オケ馴染みも悪くない。

 

(ドラムトラックとベースは打ち込みです。ミキシングがろくでもないのは申し訳ない。)

 

正直ここまで使える音が録れるとは思いませんでした。

 

百聞は一聴に如かず、ですね。

 

GT-1000でメタルできるのか、と問われたら、是非この記事を教えてあげて下さい。

 

それでも分からないのなら、Youtubeメタル機材おじさん、Ola Englund氏のこの動画を見ましょう

www.youtube.com

 

そう、GT-1000でもメタルが出来るのです。

 

流石に云年のメタリカのトーンを再現したいとか、そういう用途には向かないとは思いますが

 

それでもメタルが出来る。

 

余談ですがプリセットにDjent CoreとかDjentlemanとかいういかにもなパッチが入っているのできっとDjentもできます。

 

 

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